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1.石綿の性状①

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1-1 石綿とは

「石綿」は、ギリシア語で“アスベスト”「asbest:ギリシア語)」と言い、a(しない)、sbest(消化する)の2語からでき【何物でも消化できない】という意味があります。日本語では、“いしわた”とも“せきめん”とも呼び、石の綿(積層された鉱物繊維をかい綿したもの)で燃えなく石のような鉱物という意味をも含んでいます。

蛇紋(じゃもん)石や角閃(かくせん)石が地層の断層現象により層状に圧縮され繊維状に変形した天然の鉱物で、無機繊維状鉱物の総称を日本語で「石綿」と言います。

蛇紋石系(クリソタイル:白石綿)と角閃石系(クロシドライト:青石綿、アモサイト:茶石綿など)に大別され、石綿の繊維1本は直径0.02-0.35μm(髪の毛の5,000分の1)程度の極小物質です。

耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れ、また、安価であったため一時「奇跡の鉱物」として重宝され、特に二十世紀中・後期においては軍需産業、建設資材、電気製品部品、自動車部品、家庭用品等、様々な用途に広く使用されていました。

 

表1-1(石綿の分類) 図1-1 各種石綿の性状 【電子顕微鏡】

 

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