第1章 丸のこ等に関する知識②
1.丸のこ等の構造及び機能等
(5)丸のこ等の選定
丸のこは、丸いのこ刃をモーターの力で高速回転させて材料を直線に切断する工具です。ノコギリの刃(チップソー)は、木材用、プラスチック用、金属用、コンクリート用、レンガ用などが市販されており、切断する材料に応じて刃を取り換えることで幅広く使用することができます。
丸のこは切断能力が非常に高いため、厚い材料でも効率的にカットを行うことができます。しかし、材料の支え方や固定方法に問題があると、回転している刃が材料に引っ掛かったり、切断を始めた瞬間に強力な反発力が生じ、丸のこ本体や材料が進行方向とは逆に飛んでくる「キックバック」を起こしてしまい、大事故につながる危険がありますので、切断部材の形状や材質に合わせた丸のこ等の大きさや、のこ刃の種類を正しく選択する必要があります。付属されている取扱説明書をよく読んでから使用しましょう。
工具の選定
平行定規の使い方
平行定規は正確にまっすぐ切断したいときや一定の幅で繰り返し切断したいときに使用してください。 平行定規を取り付けるときは、ベースの前部にある定規取り付け口に定規を差し込み、定規の側面を材料の側面にピッタリと付けて、ツマミネジでしっかり締め付けてください
※押し棒や直角定規等の使用については取扱説明書をよく読んでください。
丸のこベンチスタンドは最近使用が減ってきています。
■卓上丸のこ(安全に精度良く、綺麗に切断できるが幅の広いものは不可)
①切断角度を設定した後、材料をガイドフェンスとターンベースに密着させ材料の切断位置を合わせてバイスで確実に固定します。
②ハンドルを握りのこ刃が材料に触れない状態でスイッチを入れます。
③のこ刃の回転が上昇し、安定してからハンドルを軽く押え、静かに下限位置まで下げて切断します。
④材料を切り終わったら、その位置でスイッチを切り、のこ刃の回転が完全に止まってからハンドルを上げます.
(スライド切断方法)
①部材をセット後にハンドルを持ち、ヘッド部を手前にスライドさせます。
②ハンドルを押し下げて押し切り切断をし、のこ刃が下限位置まで下がってから後方に押しスライドさせながら切断します。部材がしっかり固定されていれば精度よく綺麗に安全作業が行えます。
■丸のこ(いろいろな場面で使用できるが危険性は高い)
・スイッチは引金を引くと入り、離すと切れます。スイッチの引金を引いてからロックボタンを押し込むと、引金を離しても引金が固定され連続運転します。停止させるには、もう一度引金を引いてロックボタンが戻ってから引金を離してください。
材料を固定、丸のこ部を前方向に移動し、木材等の切断に使用します。
切断時の注意事項は、切断部材が動かないように気を配ることで、必要ならばクランプ等を使用して確実に切断部材を固定します。
・材料の上にベースをのせ、のこ刃が材料に触れない状態でスイッチを入れ、ベースを材料に密着させ、ケガキ線に合わせてください。本機をしっかり保持し、のこ刃の回転が完全に上昇し安定したら、そのまま静かに前方へ進め、切り終わるまでこの状態を保ってください。
・のこ刃の出し代は3㎜以上あれば良く受け代はその3倍以上の高さのものを用意します。
・受け代が低すぎるとのこ刃が地面等に触れ反発します。
・丸のこ使用時は、ベースを上から垂直に押さえます。また切断に合わせて少しずつ前方に押していきます。
・上から抑える力が弱くなり、また前方に押す力が強くなりすぎると丸のこが前に走ったり(左手指を切る原因)反発(キックバック)しやすくなり大変危険な状態になります。(右足太ももを切る原因)
・左利きの方用の丸のこではありませんがマキタ電気マルノコ逆勝手刃径165mm/切込57mm
・右手で特殊な場合に使用するために作られた右手用の丸のこですが操作を理解すれば左手で楽に使えます。
■ベンチ丸のこ(材料を送り切断する)
・型枠大工さんがよく使用する丸のこでべニア板など幅のある材料を送り(押して)切断します。
・刃の接触予防装置や反発予防装置が組みこまれています。
■のこ刃の選定
のこ刃は超硬丸のこ刃、木工用丸のこ刃、ダイヤモンドカッターに分類します。
木材切断は超硬丸のこ刃(チップソー)が主流です。
丸のこにより使用できるのこ刃が違うので、取り扱い説明書を読んでください。
・チップソーは、本体に超硬チップをロウ付けしたもので、超硬チップは硬度が高く長く使用できます。
・木工用丸のこ(刃)は本体の外周部分を刃にしてあさりを付けたものです。
・ダイヤモンドカッターは、本体外周部にダイヤの粒子を電着、溶着等により結合したものです。窯業系サイジング等に使用します。
・丸のこに適合するかどうかの、直接的な寸法は「外径」と「内径」です。一般サイズとも言える6型丸のこの場合、のこ刃は外径160~165mm、7型は185~190mmです。どちらも内径(取付穴の径)は20mmです。これらは構造規格なので、メーカーが違っても互換性があります。なお外径200mmを越えるのこ刃では、内径25mmになります。
・同じ外径でも、違う刃数が用意されていますが目安として、多いものは硬木・仕上げ・薄物などに向き、少ないものは軟木・高速の荒切り・厚物用です。
■丸のこ刃の使用上の注意事項
・作業開始前点検ではのこ刃の損傷、チップの欠損、ゆがみ等も確認する。
・これらの異常を発見した時はのこ刃を交換する。交換できない場合は使用しない。
・のこ刃に巻き込まれやすい軍手は使用しないで、指先等に遊びのない薄手の皮手袋等巻き込まれにくい手袋を使用する。(法令では禁止されていない)
・のこ刃に巻き込まれやすいタオルなどは首に掛けない。袖口はしっかりと締める。
・フランジの変形や摩耗、異物の付着等がないか交換時に確認する。
・のこ刃がガタつかないようにフランジとナットでしっかり締め付ける。
・チップ等の脱落飛散に備えて保護メガネを使用する。
(6)丸のこ刃の交換(卓上丸のこ)
・丸のこの場合は、上記取り付け方の図で、のこ刃取り付け軸とインナフランジが一体となった形もあります。これは外すことが出来ないので、脱着はアウタフランジ(遊動フランジ)と六角ボルトのみで行います。
・六角ボルトは左ネジになっているので注意が必要です(逆ネジ)
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