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第3章 丸のこ等の点検・修理 及び整備に関する知識

(1)丸のこ等の点検項目

①電源コード及び電源プラグに傷、亀裂、変形、破損等はないか。
※アースプラグまたはアースクリップ及び行先表示を含む。

②丸のこ等本体に亀裂、変形、破損等はないか。

③各種安全カバーに亀裂、変形、破損等及び固定等の改造はないか。

④各種レバー類が正常に機能するか。各種ボルト類にゆるみがないか。

⑤特にのこ刃の固定ボルトを確認する。

⑥のこ刃は、丸のこ等本体及び切断材料に適合しているか。

⑦のこ刃に刃こぼれ、変形等破損及び取り付け方向を間違っていないか。

⑧卓上丸のこ等で、注油の必要箇所に注油する必要はないか

⑨試運転で、丸のこ回転中に異常振動、異常音やのこ刃に面振れがないか。

⑩試運転を行い、スイッチを切ったときに、ブレーキが正常に作動するか。

(2)丸のこ等の点検・修理

丸のこ等の点検・修理等は労働災害防止上重要な対策です。特に使用する前には必ず点検及び修理等を行うことが重要です。

一般的には取扱説明書に従って点検・修理等を行いますが、やはり電気に関する知識がないと修理については難しいことだと思いますのでメーカーさんに依頼することをお勧めします。

点検・修理等が必要な理由は、労働災害発生要因となる「不安全状態」を解消することにあります。丸のこ等は「感電」「切れ・こすれ」「巻き込み」「飛来」といった使用上のリスクが多く存在していますから使用する前に点検をして安全確保をすることが大切です。
不具合が見つかり、修理できない場合は絶対に使用してはいけません。

(3)充電式丸のこ

(1) バッテリーパックの充電は温度が10~35℃の範囲で行ってください。
範囲外の温度で充電すると、破裂・火災の原因となります。

(2) 指定のバッテリーパック・充電器以外は使用しないでください。(事故・故障の原因)
また、充電器の使用電源は必ず銘板に表示してある電圧(家庭用AC100V)で使用してください。

(3) 使用前には必ず人のいない方向に向け、無負荷で1分以上の試運転を行い本製品の異常振動やのこ刃の大きな振れなどの不具合がないことを確認してください。
特に初めて使用するときや、のこ刃を交換した後は3分以上の試運転を行ってください。

(4) 安全カバーは絶対に固定したり取り外して使用しないでください。また、スムーズに動くことを確認してください。
のこ刃が露出したまま使用すると、ケガの原因となります。

(5) 本体を逆さに向けて使用しないでください。

(6) 加工物は安定した台に置き、クランプ・バイスなどでしっかりと固定してください。切断中に動くとキックバックを起こします。

(7) 切り落とし寸前や切断中に加工物の重みでのこ刃がはさまれないよう、切断する部分に近い位置を支える台を設けてください。
のこ刃が加工物にはさまれると、正常に回転せず反発によるケガ・故障の原因となります

(8) ベースに隠れてしまうような小さな物の切断は危険ですのでしないでください。また、加工する物はクランプ・万力などでしっかりと固定してください。不安定なまま作業するとケガの原因となります。

(9) 使用する前に必ず近くに人がいないことを確認してください。また、使用中には人を近づけないでください。

(10) 作動すると危険な場合は、バッテリーパックを取り外してください。

(11) バッテリーパックは発煙・発火・破裂の恐れがあります。次のことを守ってください。端子に金属を接触させないでください。釘や硬貨などが入った袋や箱の中に入れないでください。釘を差したり、強い衝撃を与えないでください。雨や水に濡らさないでください。

(12) ガソリン・ガス・塗料・接着剤など、爆発・引火の恐れがある物質の近くでは、絶対に使用しないでください。爆発や火災の恐れがあります。

(13) 加工物の切り落とし側が大きいときは、切り落とし側にも安定した台を設けてください。また、切り落とした加工物に回転しているのこ刃が接触しないよう、台の高さはのこ刃の出しろの3倍以上にしてください。

(14) 加工物の中に異物(釘・ネジなど)や加工物の下に障害物(のこ刃が接触する物)がないことを確認してください。
刃こぼれだけでなく、強い反発力が生じケガの原因となります。

(15) 回転しているのこ刃や切りクズなどの排出部は危険ですので、絶対に手や顔などを近づけないでください。

(16) 切断途中でのこ刃を回転させたまま本体を戻そうとすると、強い反発力が生じケガの原因となります。その位置でスイッチを切り、のこ刃の回転が完全に停止してから本体を持ち上げるようにしてください。

(17) 切断中にこじったり、加工物に強く押しつけたりしないでください。

(18) 使用中は、本体を確実に保持してください。
切断開始・終了直前に強い反発力が生じます。確実に保持していないと本体がぶれ、ケガの原因となります。

(19) 切断しようとする加工物の前方に手を置かないでください。

(20) 使用中、本体の調子が悪かったり、異常音がしたときは、ただちにスイッチを切り使用を中止し、販売店に修理をお申しつけください。

(21) 火災の恐れがあります。次のことを守ってください。
段ボールなどの紙類・座布団などの布類・畳・カーペット・ビニール袋などの上では充電しないでください。充電器の通気孔を充電中にふさがないでください。また、通気孔に金属類・燃えやすい物を差し込まないでください。
綿ぼこりなど、ほこりの多い場所で充電しないでください。

(22) 充電器のバッテリーパック差込口には充電用端子があります。金属片・木などの異物や水を入れないでください。

(23) 充電器・バッテリーパック内部に水が入ってしまった場合は、絶対に使用しないでください。

(24) 充電器は充電以外の用途に使用しないでください。

(25) 長時間の継続作業はしないでください。疲労による事故・手のしびれ・ハクロウ症の原因になります。目安として30分間の作業に10~20分間の休憩をとってください。

(26) 安全ロックボタンを押した状態で固定しないでください。
セーフティー機構が働かず、ケガの原因になります。

(27) のこ刃を交換するときは必ずスイッチを切り、本体からバッテリーパックを抜いた状態で行ってください。

(28) 充電中、異常発熱などの異常に気がついたときは、ただちに電源プラグを抜いて充電を中止してください。そのまま充電を続けると破裂・発火・発煙の恐れがあります。

(29) フル充電状態のバッテリーパックを再充電しないでください。

(30) 充電器およびバッテリーパックが熱を持ったままでは正常に充電できません。充電する前に、必ず充電器・バッテリーパックが十分冷めていることを確認してください。

(31) 1台の充電器で複数のバッテリーパックの充電を続けて行う場合、必ず電源プラグをコンセントから抜いて15分以上の冷却時間を設けてください。
使用直後のバッテリーパックは充電しない場合があります。その場合充電する前に室温が25℃以下の風通しの良い場所で、必ず1時間以上冷ましてから充電してください。
バッテリーパック内部の温度が下がらないと充電が開始されません。

(32) バッテリーパックの連続使用は2個までにしてください。(故障の原因)
連続使用する場合は本体を十分に冷ましてください。

(33) 電動工具本体は常温(5~40℃)で使用してください。

 

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