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【第3章】第4節 酸素呼吸器②

2 圧縮酸素形循環式②

装着方法

① 面体のアイピースの内側にくもり止め液をスプレーし、柔らかい布等で軽くのばし、少し乾いてから(10〜20秒後)、息吹きかけてもくもらないことを確認します。

② 吸気冷却装置のゴム蓋を外し、氷を入れます。

装着方法

③ 呼吸気管は体の前側にくるように器械を背負います。

④ 脇バンドを下へ引き、背中に固定します。

装着方法

⑤ 胸バンド、腰バンドを接続し、長さを調整します。

⑥ 二又管キャップを取外します。

装着方法

⑦ 二又管と面体を接続し、面体のつりひもを首にかけます。

⑧ 二叉管のクリップ2カ所が面体のストッパーに掛かり、抜けないことを確認します。

装着方法

⑨ 酸素ボンベのそく止弁をゆっくり開き、全開にします。

⑩ 面体のしめひもを左右の手の親指で広げ、あごの方からかぶります。

装着方法

⑪ 面体のしめひもを下の方から順番に左右同時に後ろへ引きます。

⑫ 呼気管と吸気管を左右の手で強く握って閉塞し、軽く吸気し面体が顔に吸い付くことを確認します。そのまま首を上下左右に振った後も吸い付いたままであることを確認します。


(3)使用方法

① 使用中は、圧力指示計で酸素の残量を確認しながら作業を行います。

② 圧力指示計が警報設定圧力(約3MPa)に下がったとき、または警報装置が作動したときは、直ちに作業を中止して安全な場所に移動します。


(4)脱装方法

① 安全な場所に移動し、面体のバックルを起こし、しめひもをゆるめ面体を外し、そく止弁を閉じます。

② 腰バンドと胸バンドを外し、左右の脇バンドをゆるめ、左肩バンドを左腕から外します。

③ 左手で面体下部を持ち、頭をくぐらせながら右手で右脇バンを持ち、呼吸器を下ろします。


(5)使用後の整備

① 清浄剤の交換

使用後は、次回の使用に備えて整備をします。なお、清浄剤は一度使用したら交換し、再使用できません。

清浄缶を呼吸器本体から取り外し、充てん口キャップを外して使用済みの 清浄剤を排出します。

未使用の清浄剤をふるいにかけ、微粒粉末を取り除きます。

最後に、清浄缶に交換月日を記入し、呼吸器本体に取り付けます。


② 酸素ボンベの交換

そく止弁を完全に閉じてから、ボンベを取り外し、ボンベの接続部にキャップを取付けます。

充てん済みのボンベを取付け付けます。

接続部のゴミやパッキン損傷の有無を確認します。

調整器に接続し、止めバンドを締めて取り付け、そく止弁を全して圧力指示計で圧力を確認した後、そく止弁を閉じます。


(6)取扱上の注意事項

① 使用場所

-20℃以下の場所では、使用できません。また、清浄剤は0℃以上の場所で保管したものを使用します。

呼吸器は、呼吸循環回路内の水分を乾燥させたものを使用します。

使用を中断して一度外した呼吸器は、再び使用できません。


② 使用時の留意事項

面体と顔面との密着性に悪影響を及ぼすような無理な姿勢や、衝撃を受ける動作は避けます。

速続して激しい作業を行うと、吸気温度の急上昇及び使用可能時間の短縮につながります。

吸気が苦しい場合、外気(煙等)が面体内に侵入したと思われる場合は、手動補給弁を使用して酸素を補給します。

使用可能時間の判断は警報器のみに頼らず、随時圧力指示計の目盛も確認します。

ボンベの使用可能時間は、圧力1MPa当たり約8〜10分を目安とします。 ただし、激しい作業を行う場合は短くなります。

ボンベ圧力が7MPa以下のときにそく止弁を開け、使用を開始すると警報装置が作動しないので注意が必要です。


③ ねじ式接続部

ねじ式接合部にキズ、汚れが付かないように取付け、取外し時には十分注意します。

接合は、工具等を使用せず手締めで行います。

接続に際しては、事前に異物の付着、Oリングなどの損傷の有無を確認します。


(7)保管と定期点検

① 保管は、収納ボックスに入れ、面体・呼気管及び吸気管に変形・ねじ れを生じないようにし、高温となる場所や粉じん、湿気の多い場所での保管は避けます。

② シンナー等による器具の手入れ・清掃は部材が劣化するおそれがあるため禁物です。

③ 面体・呼気管・吸気管及び呼吸袋(面体等)は、使用後汚れを軟らかい布などで軽く拭き乾燥させます。

④ 面体等の汚れが著しい場合、本体から外し中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗浄後水洗いし、日陰で乾燥します。

⑤ 清浄剤は、未使用であっても清浄缶に充てん後6力月を経過した場合は使用できません。


3 酸素発生形循環式呼吸器

酸素発生形循環式呼吸器は、多量の酸素をもつ化学薬品の反応によって発生する酸素を利用する呼吸器です。化学反応を利用しているため、酸素消費量の急激な変化に対する即応性の点でやや劣りますが、軽量で長時間使用できるなどの長所があります。

酸素を発生させる化学反応として、超酸化カリウムと呼気中の水分及び炭酸ガスの反応を利用した「K形」と、塩素酸ナトリウムの熱分解を利用した「C形」があります。

これらの形式の酸素呼吸器は取扱いを習熟しておくことが必要なため、自衛隊などのほかは一般的にあまり使用されていません。


 

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