9-3 関心を持たせる具体的な方法
作業者に労働災害防止についての関心を持ってもらう具体的な方法として、チームで取り組む安全衛生活動があります。
(1)4S活動
代表的な安全衛生活動として4S活動があります。
なお、4S活動は安全衛生のみならず、作業の効率化や品質向上といった業務の遂行にも必要とされる活動です
①4Sの意味
「整理・整頓・清掃・清潔」の頭文字の「S」を取って4Sと呼んでいます。これに「躾」を加えて「5S」活動を実践しているところもあります。
a.「整理」~作業に必要なものと不用なものを分類して、不用なものは廃棄するか、必要になるまで保管しておくことをいう。
b.「整頓」~物の置き方の秩序を保ちながら、必要な物が簡単に取り出せるように所定の場所に保管することをいう。
c.「清掃」~単なる掃除ではなく、整理整頓の仕上げの役目を持っている。つまり、整理整頓が悪いのに周辺だけ掃除しても清掃したことにならず、設備・治工具・作業用具から通路・作業床に至るまで整理整頓した後で、きれいに掃除して、ゴミ、クズ、ホコリを十分に取り除くことをいう。
d.「清潔」~生産過程で発生する油、粉じん、煙、有機溶剤の蒸気などによる作業場所の汚染を防止し、整理・整頓・清掃が良好な状態で継続され良好な作業環境が保たれている状態をいう。
②4Sを進める基本
4Sを効果的に進めるためには、次のことに配慮する必要があります。
a.経営トップ・事業場トップが強く関心を持つ。
b.4Sの意義と効果について職場で話し合い、共通の認識を持つ。
c.職場ごとに4Sの具体的な到達目標とそれに応じた基準を作る。
d.職場の一人ひとりが分担する役割を決める。
e.一定期間ごとに進捗状況を確認し、改善していく。
(2)その他各種の安全衛生活動
① ヒヤリ・ハット報告制度
作業者が経験したヒヤリ・ハットした危険を発表させ、他の作業者への災害防止の関心を高める。
② 小集団活動への参加
安全施工サイクル運動、指差唱和運動、危険予知活動などに参加させる。
③ 表彰制度の活用
安全衛生活動を実施するうえで、さらにやる気を起こさせる方法として表彰を行う。
④ あいさつ運動・ひと声かけ運動
作業者の不安全行動に気付いたら、見かけたものが声をかけて注意し合い、災害の発生を未然に防ぐ。
⑤ 指差呼称運動
人の不注意や錯誤をなくして、安全意識を高めるために指差し、声を出して「◯◯ヨシ!」と確認する運動である。
⑥ 相互注意運動
不安全行動をしている作業員に気付いた人が、すぐ注意し合う運動である。
⑦ 安全当番制度
元方事業者、関係請負事業者の中から一定期間ごとに、輪番で安全を担当する者を選任する制度である。
⑧ オアシス運動
「おはよう」「ありがとう」「失礼します」「すみません」を積極的に使い、コミュニケーションを図る運動。頭文字を取ってオアシス運動と名付けられている。
⑨ 全員リーダー制度
グループの一人ひとりが何かの役割を分担し、自主的に行動するようにさせる。
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