【第1章】第5節 異常時等における措置
第5節 異常時等における措置
(1)異常とは
建設現場では、事故や災害が発生する前にはほとんどの場合作業を阻害するような出来事(物の不安全状態、人の不安全行動)が発生しています。こういった、本来の基準から外れた出来事を「異常」といいます。「異常」を早期に発見し、事故や災害となる前に是正し、正常な状態に戻さなければなりません。
(2)異常の発見と措置
「異常」の発見は、職長のほか、設備や機械によっては経験豊かな作業員や専門家が作業開始前に点検を行なうことが必要です。「異常」発見時の処置は、あらかじめ処置手順を決めておき、それにより応急的な処置をとらなければいけません。職長は、異常状態が放置されたまま作業が行なわれないよう監督・指導・訓練などの職務を遂行しなければなりません。
連絡:異常を発見したら職長に報告
確認:職長は異常を具体的に確認
報告:職長は必要により店社又は元請けに報告する
(状況により停止、立ち入り禁止措置等の緊急措置を優先させる。)
処置:基準の状態に戻すため必要な措置を行う
(3)異常に対する備え
災害は予告なしに発生します。その場合は、被害を最小限に留めなければいけません。そのためには、沈着冷静に被災者の救出、非常停止、連絡・報告、二次災害防止などの処置ができるよう“応急(緊急)処置手順”を決めておく必要があります。この応急処置手順には、緊急時の連絡体制が含まれていることが必要です。
作業所内で行なう“応急(緊急)処置手順”は元請作業所で決めた体制との間にずれが生じないように決めることが重要です。職長は、万が一に備え、決められた手順通りに処置できるよう作業員に対して周知・指導・訓練などを行なうよう努めます。
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