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【第3章】第1節 墜落防止のための設備

1 平成21年6月以降の足場からの墜落防止措置等の強化の概要

(1)足場の建地の中心間の幅が60cm以上の場合、足場の後踏側(躯体側と反対側)には荷揚げなどの作業に支障がある箇所を除いて、次の措置をとりましょう。

① わく組足場では、下さんの代わりに、高さ15 cm以上の幅木(※)を設置

※ なるべく背の高い幅木にしましょう。

② わく組足場以外の足場では、手すりや中さんに加えて幅木などを設置


(2)わく組足場について、特に足場の後踏側には、荷揚げなどの作業に支障がある箇所を除いて、上さんを設置または手すりわくを取り付けましょう。

低層住宅用工事用足場
法律・政令・省令


 

「より安全な措置」による先行据え置き型手すりわくの取り付け
※筋交いが必要なタイプもあります


(3)「より安全な措置」を考慮して建地間の隙間をなくした作業床を設けます。
床付き幅木等を活用します。

低層住宅用工事用足場

2 安全ネット(防網)の取り付け

(1)こう配屋根及び足場からの墜落防止
屋根作業で、こう配屋根からの墜落防止用手すりと軒先の間隔が広い箇所には、墜落防止のため軒先用安全ネット(防網)を取付けます。


(2)足場上での作業で、躯体と足場作業床との間隔が広い箇所には、足場躯体間に、層間養生ネット(防網)を取付けます。


(3)低層住宅等建築工事の場合は、2階の建方作業を行う前に、1階から2階の梁などを利用して安全ネット(防網)を取付け、墜落防止を図ることが必要です。
安全ネット(防網)の取付けが必要な箇所は、2階や3階の床梁下、下屋及び小屋組下部、吹抜け、階段室等の開口部等です。


(4)「墜落による危険を防止するためのネットの構造等の安全基準に関する技術上の指針(抄)」(厚労省)
この指針は、建設工事の場所等において、労働者の墜落による危険を防止するため、水平に張って使用するネット(以下「ネット」という。)の構造等に関する留意事項について規定したものである。


□定義

(1) 網地   網目が多数連続しているものをいう。

(2) 結節    網目の頂点を形成する網糸の結び目をいう。

(3) 縁綱    ネット周辺を形成する綱をいう。

(4) 仕立糸  縁綱と網地を結びつけるための糸をいう。

(5) つり綱  ネットを支持点に取り付けるための綱をいう。


□構造等

①ネットは、縁綱、仕立糸、つり綱、試験用糸等を有するものとすること。

②ネットの材料は、合成繊維とすること。

③網目は、その辺の長さが10cm以下とすること。

④網地は、かえるまたその他のずれることのない結節によること。

⑤縁綱は、周辺の網目を通した後、ずれることのないように仕立糸で網糸と結び付けること。

⑥縁綱とつり綱との接続は、3回以上のさつま編込みで結ぶ方法又はこれと同等以上に確実な方法によること。


低層住宅用工事用足場

3 落下物による危険防止のための措置


低層住宅用工事用足場

仮設工業会 使用基準より


(1)メッシュシートの使用中は、次の①から⑤までにより点検、取り替え等の措置を講じてください。

①使用期間が1月以上である場合には、緊結部の取付状態について、1月以内ごとに定期点検を実施してください。

②大雨、強風等の後では、メッシュシート、水平支持材等の異常の有無について、臨時点検を実施してください。

③メッシュシート近傍で溶接作業が行われた場合は、その作業の終了後、すみやかに溶接火花又は溶断片による網地等の損傷の有無について調べ、損傷のあるときは、これの正常のものと取り替え又は補修を行ってください。

④資材の搬出入等により、メッシュシートの一部を取り外した場合、その必要がなくなったときは原状に復しているかどうかを点検してください。

⑤飛来・落下物、工事中の機器等の衝突により、メッシュシート、支持材等が破損したものは、これを正常のものと取り替え又は補修を行ってください。


(2)メッシュシートの使用に際して、次に掲げるものは飛来落下物防護用として使用しないでください。

①メッシュシートの網地又は歯とめ部分が破損しているもの。

②品質表示が行われていないもの。

③防炎ラベルがないもの。


(3)メッシュシートは、水平に張って使用する墜落防止用の安全ネットとして使用しないでください。


(4)合成樹脂製のはとめの強度に影響を与えるトルエン等の有機溶剤を含有する塗料を使用して行う塗装作業においては、塗料が直接合成樹脂製のはとめにかからないように行ってください。


(5)緊結材は、引張強度が0.98kN以上のものを使用してください。


(6)出隅部、入隅部等の箇所は、その寸法に合ったメッシュシートを用いてすき間のないように取り付けてください。


(7)台風や強風(風速15m/秒以上)が予想される場合は、メッシュシートを取り外すか、片側に手繰り寄せ、きちんと固定してください。


労働基準法施行令第136条の5 落下物に対する防護

 

建築工事等を行なう場合において、建築のための工事をする部分が工事現場の境界線から水平距離が5m以内で、かつ、地盤面から高さが7m以上にあるとき、その他はつり、除却、外壁の修繕等に伴う落下物によつて工事現場の周辺に危害を生ずるおそれがあるときは、国土交通大臣の定める基準に従つて、工事現場の周囲その他危害防止上必要な部分を鉄網又は帆布でおおう等落下物による危害を防止するための措置を講じなければならない。


国土交通省 建設工事公衆災害防止対策要綱

水平距離5m以内の範囲に隣家、一般の交通その他の用に供せられている場所がある場合には、落下物防止のための防護棚等を設置しなければならない。

①建築工事等を行う部分が、地盤面からの高さが 10m以上の場合にあっては1段以上、20m以上の場合にあっては2段以上設けること。

②最下段の防護棚は、建築工事等を行う下10m以内の位置に設けること。

③各防護棚は水平距離で2m以上突出させ、水平面となす角度を 20 度以上とし風圧、振動、衝撃、雪荷重等で脱落しないよう骨組に堅固に取り付けること。


 

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