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第2章 作業の方法及び事故の場合の措置⑥

ダイオキシン類メモ

■ダイオキシン類は、日常生活においても継続的にばく露していますが、健康障害が起きる可能性はありません。
過去に放出されたダイオキシン類は最終的に人の口に入ってきますが1万歳くらいまで長生きしないと健康障害は起こりえません。

食物連鎖で濃縮されるダイオキシンの粒子 地域別母乳中のダイオキシン類濃度

■居住地域により、環境あるいは植物からのダイオキシン類ばく露はかなり偏りがあります。これは農薬や除草剤を過去に大量に使ったことが関係していると思われます。

日本におけるダイオキシン含有農薬使用量の変化

■ダイオキシン類はペンタクロロフェノール(PCP)やクロルニトロフェン(CNP)という過去に使用された農薬(除草剤)に不純物として含まれていました。PCPとCNPは、それぞれ1990年と1996年に農薬としての登録が失効したため、現在では製造、使用が禁止されています。

■このような比較も過去にはされていましたが、現在ではダイオキシン類の毒性は少し低いのではないかと言われています。


■ウクライナ大統領候補暗殺未遂事件
2.2mgのダイオキシン類を投与される。

幸いなことに治療の結果、しっかりと回復したそうです。
一部の肝臓病治療薬は、ダイオキシン類の体外排出に効果があると、報告されています。

■オランダでは清掃作業中に労働者4人が「ダイオキシン類ばく露により死亡した可能性があった」との報道がされています。

■大量ばく露の「事故」事例
1976年北イタリアのセベソ地方
30~130kgのダイオキシン類が1週間で拡散し、その量は22億人の致死量に相当しました。
地域住民は220,000人で、検査の結果住人の血中のダイオキシン濃度は通常の2,000~5,000倍にもなりましたが、死亡者は不思議なことにいませんでした。
※家畜等の大量死亡は発生しています。

皮膚疾患等は多数にみられ、明かに影響が考慮される病気は不妊症・流産、新生児に塩素ざ瘡、女子誕生比率が高まる等ありましたが、経過調査の結果では直接的なガン患者は出ていないと報告されています。

■カネミ油症事件

1968年(昭和43年)、カネミ倉庫が製造する食用油にポリ塩化ビフェニル(PCB)などのダイオキシン類が製造過程で混入し、その食用油(「カネミライスオイル」と呼ばれた)を摂取した人々やその胎児に障害などが発生した、西日本一帯における食中毒事件です。

福岡県北九州市小倉北区(事件発生当時は小倉区)にあるカネミ倉庫株式会社で作られた食用油(こめ油・米糠油)「カネミライスオイル」の製造過程で、脱臭のために熱媒体として使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が、配管作業ミスで配管部から漏れて混入しこれが加熱されてダイオキシンに変化しました。

このダイオキシンを油を通して摂取した人々に、顔面などへの色素沈着や塩素挫瘡(クロロアクネ)など肌の異常、頭痛、手足のしびれ、肝機能障害などを引き起こしました。

カネミ倉庫は、油にダイオキシン類が含まれていることを知ったあとも汚染油を再精製して売り続けた結果、工場のあった福岡と再精製油が売られた長崎にさらなる被害をもたらしました。摂取した患者は現在まで長きにわたり、さまざまな後遺症に悩まされ、なかでも、妊娠していた女性患者から全身が真っ黒の胎児が産まれ、2週間ほどで死亡するという事件が発生。これは社会に大きな衝撃を与え、学界でも国際会議で「YUSHO」と呼称され、世界的な関心を集めました。

上記のような事故で、ダイオキシン類を大量ばく露した場合健康障害が起きることは明確ですが、通常の業務遂行上では大量ばく露は考えられません。

ただし、ダイオキシン類についてはまだ良く分からないことが多いので、労働安全衛生法令や行政通知に従ったばく露防止対策をしっかりと行ってください。

 

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