【第1章】第1節 作業に用いる設備の種類、構造等①
この章の「作業」とは安衛則第36条第41号に定められている本特別教育の対象作業(高さが二メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業)であり、例として以下のような作業があります。
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これらの作業を行う際に使用する墜落・転落防止のための設備等について、確認しておきましょう。
1.一般的な設備の種類と構造、取り扱い方法①
1 墜落制止用器具等
■フルハーネス型墜落制止用器具
墜落を制止する際に、身体の荷重を肩、腰部及び腿等複数個所において支持する構造の部材で構成される墜落制止用器具をいう。
「ランヤードなしの例」
■胴ベルト型(1本吊り)墜落制止用器具
身体の腰部に着用する、帯状の部品で構成される墜落制止用器具をいう
「ランヤード(ロープ・フック付き)の例」
■ランヤード
フルハーネス又は胴ベルトと親綱その他の取付け設備(墜落制止用器具を安全に取付けるための設備をいう)等を接続するためのロープ又はストラップ(以下「ランヤードのロープ等」という。)及びコネクタ部からなる器具をいう。
ショックアブソーバや巻取り器付きのものは、当該ショックアブソーバ等を含む。
■補助ロープ
移動時において、主となるランヤードを掛け替える前に移動先の取付け設備に掛けることによって、絶えず労働者が取付け設備と接続された状態を維持(二丁掛け・ダブルランヤード)するための短いロープ又はストラップ(以下「ロープ等」という)をいう。
「胴ベルト型補助ロープの例」
■胴ベルト型(U字吊り)と伸縮調整器
柱上作業などで使用されるワークポジショニング用の保護具。
伸縮調整器で作業に適したロープの長さに調節して使用する。
「胴ベルト型(U字つりタイプ)」伸縮調整器の例
■ワークポジショニング作業
ロープ等の張力により、U字つり状態などで作業者の身体を保持して行う作業をいう。
(例:電柱上の作業)
U字吊り用のロープは使用の都度対象物との摩擦が生じ傷みやすいため、特に入念な点検が必要。このため、摩耗度を知らせる赤芯が入ったタイプなどもある。
U字吊りを使用する場合は併せて墜落制止用器具等の使用が必要。
【U字吊り兼用フルハーネス型墜落制止用器具の例】
ワークポジショニング作業で使用できる墜落制止用器具として、U字吊り兼用フルハーネス型タイプがあります。
使用する場合は、両腰のD環に接続したU字吊り専用ロープで作業姿勢を保持し、背中(又は胸部)のD環に接続したランヤードをライフライン等の取り付け設備などに接続します。
なお、電柱作業の場合、通常は頭部より上にフックを掛けることが可能なため、2m以上の高さではフルハーネス型の墜落制止用器具の使用が推奨されています。
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