【第2章】第3節 ランヤードの取付け設備等への取付け方法及び選定方法②
6.垂直親綱への取付け
垂直親綱に墜落制止用器具のフック等を取付ける場合は、親綱に取付けた取付け設備にフック等を掛けて使用します。
一本の垂直親綱を使用する作業者数は、原則として一人とします。
垂直親綱に取り付けた取付け設備の位置は、ランヤードとフルハーネス等を結合する環の位置より下にならないようにして使用します。
墜落制止用器具は、可能な限り、墜落した場合に振子状態になって物体に激突しないような場所に取付けます。
長い合成繊維ロープの垂直親綱の下端付近で使用する場合は、墜落制止時に親綱の伸びが大きくなるので、下方の障害物に接触しないように注意します。
7.水平親綱への取付け
水平親綱は、墜落制止用器具を取付ける構造物が身近になく、作業工程が横移動の場合、又は作業上頻繁に横方向に移動する必要がある場合に、ランヤードとフルハーネス等を結合する環より高い位置に張り、それに墜落制止用器具のフック等を掛けて使用します。
なお、作業場所の構造上、低い位置に親綱を設置する場合には、短いランヤード又はロック機能付き巻取り式ランヤードを用いる等、落下距離を小さくする措置を講じます。水平親綱を使用する作業者は、原則として1スパンに1人とします。
墜落制止用器具は、可能な限り、墜落した場合に振子状態になって物体に激突しないような場所に取付けます。
水平親綱に合成繊維ロープを使用する場合は、墜落制止時に下方の障害物・地面に接触しないように注意します。
8.その他の注意点等
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ワークポジショニング作業専用ロープ以外でのU字つり厳禁
一般高所用ランヤードは、ロープ式でもストラップ巻取式でもU字つり用として使ってはいけません。
墜落したときにロープやストラップで身体をつなぎ止めることを目的に、垂直方向への強度・耐久性が設定されているので、U字にして体重をかけるような使い方は危険です。
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墜落制止用器具のランヤード・フックを垂れ下げず、引っ掛かりを防止する
狭い通路などを歩いている時、墜落制止用器具のランヤード・フックが構造部材や足場材などに引っ掛かり、つまずいたりして危険です。
実際にフックを掛けて使う場合を除き、ロープ・ストラップ・フックを図のように収納袋や巻取器の中にきっちり納めて携帯しましょう。
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ロック機能付きストラップ巻取り式ランヤードで走ると危険
ロック機能付きストラップ巻取り式ランヤードは、その巻取器が自動車のシートベルトと同じ機能を持っています。
走る・飛び降りるなどの急な動作をとると、ロックがかかるので注意してください。
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火花や薬品などに触れさせない<
ロープ・ストラップ・ベルトはナイロンなどの合成繊維製で、火気・高熱・溶剤・酸・アルカリ他化学薬品に触れると、変質し強度が著しく低下します。
それらに接触しないよう十分な注意が必要です。
特に溶接作業時に「スパッタ」「のろ」の付着がないよう用心してください。
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