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【参考資料】墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン④

墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン④

(平成30年6月22日付け基発0622第2号)


第6 点検·保守·保管

墜落制止用器具の点検·保守及び保管は、責任者を定める等により確実に行い、管理台帳等にそれらの結果や管理上必要な事項を記録しておくこと。


1 点検

点検は、日常点検のほかに―定期間ごとに定期点検を行うものとし、次に掲げる事項について作成した点検基準によって行うこと。定期点検の間隔は半年を超えないこと。
点検時には、取扱説明書に記載されている安全上必要な部品が全て揃っていることを確認すること。

(1)ベルトの摩耗、傷、ねじれ、塗料·薬品類による変色·硬化·溶解 (2)縫糸の摩耗、切断、ほつれ

(2)金具類の摩耗、亀裂、変形、錆、腐食、樹脂コーティングの劣化、電気ショートによる溶融、回転部や摺動部の状態、リベットやバネの状態

(4)ランヤードの摩耗、素線切れ、傷、やけこげ、キンクや撚りもどり等による変形、薬品類による変色·硬化·溶解、アイ加工部、ショックアブソーバの状態

(5)巻取り器のストラップの巻込み、引き出しの状態。ロック機能付き巻取り器については、ストラップを速く引き出したときにロックすること。
各部品の損傷の程度による使用限界については、部品の材質、寸法、構造及び使用条件を考慮して設定することが必要であること。
ランヤードのロープ等の摩耗の進行は速いため、少なくとも1年以上使用しているものについては、短い間隔で定期的にランヤードの目視チェックが必要であること。特に、ワークポジショニング用器具のロープは電柱等とこすれて摩耗が激しいので、こまめな日常点検が必要であること。また、フック等の近くが傷みやすいので念入りな点検が必要であること。
また、工具ホルダー等を取り付けている場合には、これによるベルトの摩耗が発生するので、定期的にホルダーに隠れる部分の摩耗の確認が必要であること。


2 保守

保守は、定期的及び必要に応じて行うこと。保守にあたっては、部品を組み合わせたパッケージ製品(例:フック等、ショックアブソーバ及びロープ等を組み合わせたランヤード)を分解して他社製品の部品と組み合わせることは製造物責任の観点から行わないこと。

(1)ベルト、ランヤードのロープ等の汚れは、ぬるま湯を使って洗い、 落ちにくい場合は中性洗剤を使って洗った後、よくすすぎ、直射日光に当たらない室内の風通しのよい所で自然乾燥させること。その際、 ショックアブソーバ内部に水が浸透しないよう留意すること。

(2)ベルト、ランヤードに塗料がついた場合は、布等でふきとること。
強度に影響を与えるような溶剤を使ってはならないこと。

(3)金具類が水等に濡れた場合は、乾いた布でよくふきとった後、さび止めの油をうすく塗ること。

(4)金具類の回転部、摺動部は定期的に注油すること。砂や泥等がついている場合はよく掃除して取り除くこと。

(5)一般的にランヤードのロープ等は墜落制止用器具の部品の中で寿命が最も短いので、ランヤードのロープ等のみが摩耗した場合には、ランヤードのロープ等を交換するか、ランヤード全体を交換すること。交換にあたっては、墜落制止用器具本体の製造者が推奨する方法によることが望ましいこと。

(6)巻取り器については、ロープの巻込み、引出し、ロックがある場合はロックの動作確認を行うとともに、巻取り器カバーの破損、取付けネジの緩みがないこと、金属部品の著しい錆や腐食がないことを確認すること。


3 保管

墜落制止用器具は次のような場所に保管すること。

(1)直射日光に当たらない所

(2)風通しがよく、湿気のない所

(3)火気、放熱体等が近くにない所

(4)腐食性物質が近くにない所

(5)ほこりが散りにくい所

(6)ねずみの入らない所



第7 廃棄基準

  1. 一度でも落下時の衝撃がかかったものは使用しないこと。

  2. 点検の結果、異常があったもの、摩耗·傷等の劣化が激しいものは使用しないこと。



第8 特別教育

事業者は、高さ2メートル以上の箇所であって作業床を設けることが困難なところにおいて、墜落制止用器具のうちフルハーネス型のものを用いて行う作業に係る業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、あらかじめ、次の科目について、学科及び実技による特別の教育を所定の時間以上行うこと。


(※カリキュラムは前掲により省略)



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