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2. 建築物又は工作物等の解体等の作業方法④

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2-1 作業の一般的な手順③

2-1-4 石綿含有仕上塗材の除去を行う場合

建築用仕上塗材は、建築物の内外装仕上に用いられており、数十ミクロン程度の厚さの塗料とは異なり、数ミリ単位の仕上げ厚さを形成する塗装材料又は左官材料です。吹付け、こて塗り、ローラー塗りなどの施工方法によって、立体的な造形性を持つ模様に仕上げられることから、塗膜のひび割れや施工時のダレを防止するために、主材の中にクリソタイル、アモサイト、トレモライトが少量意図的に添加材として使用されていた時期があります。

石綿含有仕上塗材の解体等工事に当たっては、大防法の規定による措置のほか、石綿則による作業の規制事項として、作業計画の作成及び作業者への周知、除去等に係る措置、石綿作業主任者の選任、保護具の使用、各種掲示・表示(一部は安衛則、通達)、除去に係る措置の遵守、記録の保存等があり、作業者は全員が石綿特別教育(石綿使用建築物等解体等業務特別教育)を受講している必要があり、作業場を離れる時や帰宅する時においても作業場へ関係者以外が立ち入らないように封鎖措置も必要です。

なお、上塗り作業等、現存する材料等の除去を行わない場合は、規制対象とはなりません。


図 3 3 2 薄付け仕上塗材:砂壁状模様の例 図 3 3 3 厚付け仕上塗材(上塗材なし):吹放し模様の例
図
3 3 4 複層仕上塗材:凸部処理模様の例
表
3 3 日本建築仕上材工業会会員会社が過去に販売した石綿含有仕上塗材の概要

図3-35 石綿含有仕上塗材の除去を行う場合の一般的手順(解体・改修等)

図3-36 石綿含有吹付け材等の封じ込め・囲い込みを行う場合の一般的手順

2-1-5 石綿等の封じ込め又は囲い込み作業等

使用中の建物についてすぐに解体や石綿建材等の除去が困難な場合、当面既存の吹き付け石綿などをそのままに残す「封じ込め」「囲い込み」という方法が認められています。

なお、封じ込め・囲い込みの措置を行っても石綿が無くなるわけではないので、定期的な点検が必要であり、将来建物の解体時には石綿除去の必要があります。

(1)封じ込めとは

吹付け石綿等の表面に固化材の塗布又は含浸(がんしん=液状物質をしみ込ませること)し、吹付け石綿の表層部又は全層を被覆・固着して、発じんを防止する方法です。

(2)囲い込みとは

石綿が吹付けられている天井、壁等を石綿を含有していない建材で覆い密閉することにより、粉じんを室内等に発散させないようにする方法です。

(3)封じ込めの基準

 ① 対象材料に建築基準法第37条第2項に基づく認定(国土交通大臣認定)を受けた石綿飛散防止剤を均等に吹き付け、又は含浸させること。

 ② 石綿飛散防止剤を吹き付け又は含浸させた対象建築材料は、通常の使用状態における衝撃及び劣化に耐えられるものであること。

 ③ 対象建築材料に石綿飛散防止剤を吹き付け又は含浸させることによって、当該対象建築材料の撤去を困難にしないものであること。

 ④ 対象建築材料に劣化または破損の程度が著しい部分がある場合にあっては、当該部分からの石綿が飛散しないよう必要な補修を行うこと。

 ⑤ 対象建築材料と下地との付着が不十分な部分がある場合にあっては、当該部分に十分な付着が確保されるよう必要な補修を行うこと。

 ⑥ 結露水、腐食、振動、衝撃等により、対象建築材料の劣化が進行しないよう必要な処置を講じること。

(4)囲い込みの基準

 ① 対象建築材料を板等の材料であって、石綿を通過させないもの、通常の使用状態における衝撃及び劣化に耐えられるものであること。

 ② ①の囲い込みに用いる材料相互又は当該材料と建築物の部分が接する部分から対象建築材料に添加された石綿が飛散しないよう密着されていること。

 ③ 維持保全のための点検口を設けること。

 ④ 対象建築材料に劣化または破損の程度が著しい部分がある場合にあっては、当該部分からの石綿が飛散しないよう必要な補修を行うこと。

 ⑤ 対象建築材料と下地との付着が不十分な部分がある場合にあっては、当該部分に十分な付着が確保されるよう必要な補修を行うこと。

 ⑥ 結露水、腐食、振動、衝撃等により、対象建築材料の劣化が進行しないよう必要な処置を講じること。

※1年に1回、封じ込め、囲い込みの状況を点検し記録します。

※石綿則第6条(吹付けられた石綿等の除去等に係る措置)及び第7条(保温材、耐火被覆材等の除去に係る措置)に基づく立ち入り禁止措置が必要です。


図3-36 石綿含有吹付け材等の封じ込め・囲い込みを行う場合の一般的手順

図3-36 石綿含有吹付け材等の封じ込め・囲い込みを行う場合の一般的手順

 

 

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