2.保護衣等・その他保護具の種類と取扱い
2-1 保護衣・保護具の必要性
通常の作業服で作業し石綿粉じんが付着したまま作業場外に出ると、作業者本人はもちろん本人以外が吸入する二次汚染の恐れもあるため、作業中は専用の保護衣・保護具の着用が必要となります。
2-2 保護衣等・その他保護具の種類と取扱い
①保護衣・作業衣等
一般に保護衣はレベル1、2の石綿含有建材の除去作業で使用し、作業衣はレベル3を対象とした作業に使用されます。どちらも、身体に石綿粉じんが付着すると呼吸用保護具を外した後に、付着した粉じんを吸い込む恐れがありますので、必ず装着します。
②保護具、保護メガネ、手袋、シューズカバー等
表4-8 保護具等の種類と性能等
③保護衣・保護具等の使用方法
2-3 保護具・保護衣の使用
①保護具・保護衣の着用
装着は更衣室中において、下記の手順で必ず作業者2名以上で行います。装着の際、次の装備品が揃っているかどうかを確認します。
(1) 装着準備と点検
各装備品に損傷がないかどうか、目視により確認をします。
(2) 防護服の装着
防護服を装着し、ファスナーを胸まで引き上げます。フードはまだかぶりません。サムループ付きの防護服の場合は、石綿粉じんが付着しやすい為サムループは指にかけずに袖の内側にしまいます。
(3) シューズカバーの装着
シューズカバーを履き、ひもをしっかりと締めます。(シューズカバーは防護服の下に装着します)
(4) 呼吸用保護具(防じんマスク)の装着
防じんマスクを装着します。その際、気密性が保たれているかどうかを確認します。
■フィットテスターがある場合
フィルタにゴム製のフィットテスターをつけ、両端の突起物をつまみ、吸気口をふさいだ状態で息を吸います。空気が入らず、面体が顔に吸い付くのを確認できれば装着完了。
■フィットテスターがない場合
手のひらで吸気口を押さえて、息を吸い込む。それ以上吸い込まなければ装着完了。
(5) フードの装着と粘着テープの貼り付け
防護服のフードを頭にかぶります。ファスナーカバーに粘着テープが装着されているタイプは粘着テープを貼り付け、あごカバーがあるものは隙間ができないように貼り付けます。
(6) シューズカバーのテーピング
シューズカバーと防護服の接合部分をテーピングします。
(7) 防護手袋のテーピング
防護手袋を装着し、防護服の下に納めます。防護手袋と防護服の接合部分をテーピングします。
(8) 面体のテーピングと保護帽の装着
他の作業者と組んで面体と防護服の接合部分をテーピングします。保護帽を装着し、保護具全てを着用したら再度フィットテストを行い、装着完了となります。
②保護具・保護衣の脱衣方法
(1) 石綿粉じんの事前除去
2名一組になり、HEPAフィルタ付真空掃除機およびウェットウェスで、防護服等に付着した石綿粉じんを取り除きます。同様に、保護帽もHEPAフィルタ付真空掃除機で石綿粉じんを取り除き、その後、ウェットウェスできれいに拭きます。
(2) 防護手袋に付着した石綿粉じんの除去
ウェットウェスで防護手を拭き、付着した石綿粉じんを取り除きます。
(3) 防じんマスクに付着した石綿粉じんの除去
ウェットウェスで防じんマスクを拭き、付着した石綿粉じんを取り除きます。
(4) シューズカバーのテーピングを外し、シューズカバーを脱ぐ
シューズカバーのテーピングを外して、シューズカバーを脱ぎます。脱いだシューズカバーは、石綿廃棄用袋(ポリ袋)へ捨てます。
(5) 防じんマスクと防護服のテーピングを外す
(6) 防護手袋のテーピングを外す
(7) 防護服の脱衣
防護服を脱ぎます。その際、汚染された側が内側になるよう、丸めながら脱ぎます。脱いだ防護服は石綿廃棄用袋(ポリ袋)へ捨てます。
(8) 防護手袋を取り外す
防護手袋を外します。その際、汚染されている側が内側になるよう、裏返しにします。脱いだ防護手袋は石綿廃棄用袋(ポリ袋)へ捨てます。
(9) シャワーを浴びる
防じんマスクを装着した状態でエアシャワーまたはウォーターシャワーを浴び、付着した石綿粉じんを除去します。
(10) 防じんマスクを取り外す
更衣室に入ってから、防じんマスクを外します。防じんマスクのフィルタを外し、石綿廃棄用袋(ポリ袋)へ捨てます。防じんマスク全体を水で洗い流し、乾いた布で拭いた後、専用の保管庫で保管します。その後、手洗いを行います。
(11) うがいと手洗いの徹底
セキュリティゾーンを出た後に、洗面所等でうがいと手洗いを再度しっかりと行います。
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