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【第4章】 危険予知活動、訓練③

4.実践!危険予知基礎2ラウンド法(より機能的)

①KYイラスト用紙をグループに2枚(同じイラスト)と、メンバーに所定用紙を1枚づつ配布する。(イラスト用紙はグループごとに異なるものが望ましい。

②50×50㎜程度のポストイット30枚、若しくはA3白紙を1枚グループに配布する

③職長役(リーダー)と書記を決める。

④イラストを見ながら、「起因物と事故の型(現象)」を1つ決め、A3白紙中央に外枠付けて書き込む。写真ではポストイット「赤」に記入。

⑤ここからは「なぜなぜ解決法」の要領で、一項目、あるいは1枚づつ「なぜ」をつなげていく。

⑥リーダーは「なぜ」~「なぜ」が正しく繋がるようにメンバーに声をかけ、自分もしっかりと意見を出し「なぜ」を繋げていく。(下記一例)

途中から枝分かれしてもよい。出来るだけ5枚6枚と繋げていく。

「起因物と事故の型(現象)」から、2番目、3番目の流れも作っていく。

2枚目以降が「不安全行動」「不安全状態」「管理」だという認識を持つ。

「不安全行動」「不安全状態」「管理」が積み重なって事故(災害)が起きる。

この積み重ねを労働災害発生のプロセスと言います。

⑦労働災害発生のプロセスがみえてきました。ここまで20分程度で実施です。

これを、これから起きる現象として「なぜ」を3つ繋げて文章にすると
「脚立を作業場所から離れた場所に設置すると、手が届かなくなるので身を乗り出し転落する」となります。

これが危険予知活動の第1ラウンド「どんな危険が潜んでいるか」という答えです。何が危ないのか、何が起きるのかだけではなく、なぜ危ないのかその理由を明確に表現するのが第1ラウンドなのです。

⑧危険予知活動記録(所定用紙)をだします。第1ラウンドに書き込みましょう。

※単に「脚立から転落する」では転落する理由が分かりません。 転落する要因である「不安全な状態」「不安全な行動」を3つ盛り込んでください。「離れた場所」「手が届かなくなる」「身を乗り出し」が要因です。


第1ラウンド どんな危険がありますか

「脚立を作業場所から離れた場所に設置すると、手が届かなくなるので身を乗り出し転落する」

ここまで表現してくれれば、誰が読んでも、具体的なリスクが「ありありと目に浮かぶ」はずです。これで災害発生のプロセスが明確になりました。


第2ラウンド 私たちはこうする

脚立から転落する原因、要因は3つありましたので、どれに手当てするか分かりやすくなっています。

「脚立の設置場所が離れている」←作業位置に近づけられないのか

「手が届かない」←届くようにするにはどうすればいいのか

「身を乗り出す」←どうすれば身を乗り出さなくなるのか

考えると、「脚立を作業位置に近づければ良い」ことはすぐに分かると思います。

ただし、「近くに置けない」という要因も4つ目の要因として見えているので
第2ラウンドの私たちはこうするという対策は

「脚立設置場所の不要物を取り除き、作業場所近くに設置する」

「障害物をまたぐような形の脚立足場を設ける」という事になります。

※その場で可能な対策を考えるので、足場板がなければ上記対策は無効

行動目標は「脚立は手が届くところに設置しよう ヨシ!」が、良いでしょう。

⑨リーダーは第1、第2ラウンドを読み上げます。

⑩最後に全員で行動目標を「指差し唱和」で3回行います。

⑪点検項目は出来るだけ「何のどこをどのよう確認したか」具体的に記載します。また、危険予知の前に点検を行うのか、後から点検を行うのかはっきりさせておきます。先に点検を行う場合は、その点検不足や確認不足が第1ラウンドで、労働災害発生要因となることはほぼありません。イラストを見ながら必要な点検をみんなで考えてください。(概ね合計で50分程度)

⑫第1ラウンド右の見積りについてはリーダーの判断で実施します。


建設業は元請けさんの指導で実施する場合が多いようです。

※見積り評価を行ってもリスクアセスメントを行ったことにはなりません。

参考 リスクアセスメントの見積り評価基準

⑬図柄の異なるイラストをグループに配布して、もう一度同じことを繰り返してみます。これはより理解を深めるためです。時間も合計で10分を切るような気持ちで職長役はメンバーの意見を引き出し、まとめてください。

 

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