4-2 新規入場者教育
建設業特有の教育として、「新規入場者教育」があります。
(1)新規入場者教育とは
建設現場では、入場1週間以内に被災するケースが非常に多く発生しています。これに対処するため、現場の状況、現場ルール、安全作業に必要な事項などを、作業を開始する前に教育しておくことが必要となります。
このうち現場事務所等で新規入場当日に実施するものを「新規入場者教育」、事前に事業者等が実施するものを「送り出し教育」と呼んでいます。
(2)新規入場者教育の実施基準
① 関係請負事業者が請負工事を開始するとき(新たに現場に乗り込むとき)
イ. 教育の時期・・・作業を開始する前、当日入場の作業員全員
ロ. 教育実施者・・・元方(担当者)と職長など
② 作業者が施工中の現場に加わり、その作業所に初めて入場するとき
イ. 教育の時期・・・入場の当日
ロ. 教育実施者・・・職長
③ 実施場所
現場事務所の会議室、打ち合わせ室など
④ 実施時間
特に決まりはないが、通常30分間程度
⑤ 教育内容
下図で示す内容のほかに、作業員の知識、技能、資格、経験、健康状態などの個人特性を把握したうえで、効果的な教育の実施を心がける。
平成7年「元方事業者による建設現場安全管理指針」より
(3)新規入場者教育の具体的な進め方
建設現場で現在実施されている教育方法は、新規入場者の業種・経験などに合わせて個別に行うのではなく、当日の新規入場者を一括して実施している例が多数見うけられます。
以下は建設現場で行われている「新規入場者教育」の手順例です。
イ.新規入場者を、職場体操・安全朝礼終了後に現場事務所会議室や打ち合わせ室などに集合させる。
ロ.新規入場者アンケート用紙に氏名、生年月日、住所、所属先、血液型、緊急時の連絡先、等必要事項を記入する。(緊急時の重要情報となるため全ての事項を記入する。)
ハ.新規入場者教育実施内容をビデオ、教育テキスト、資料を使いながら教える。
ニ.新規入場者アンケート用紙の記載事項を確認後、本人が署名・提出して終了する。
※主な教育資料として、教育内容をまとめて綴じたものを作成して配布します。なお、標準的な教育資料の内容としては、以下のようなものがあります。
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