【第四章】 騒音作業に係る労働衛生関係法令等
■法令(法律、政令、省令をまとめて法令と表現する)
表現例:労働安全衛生法第10条
事業者は政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより総括安全衛生管理者を選任し、・・・次の業務を統括管理させなければならない。
政令:労働安全衛生法施行令第2条
労働安全衛生法第10条第一項の政令で定める規模の事業場は「林業、建設業」で「100人以上」の事業場とする。(略)
省令:労働安全衛生規則第2条
①事由が発生した日から14日以内に行なわなければならない。
②(遅滞なく監督署長に報告書を)提出しなければならない。
省令:労働安全衛生規則第3条
(不在時は代理者を)選任しなければならない。(略)
■告示:行政からのお知らせ、厚生労働大臣の定める規格、指示
■指針、ガイドライン:行政が目標を示す、あるいは必要な事項をまとめたもの
■通達:本局から下級局への示達(指示、連絡)法令解釈や、教育に関する指導
□法令を読むためのルール
~条(じょう)「~条の2」なども独立した正規の条文
~項(こう) 条を分ける場合に使われ、通常第1項は数字を表示しない
(第2項から表示)
~号(ごう) 項に分類項目を加える場合(第1号から数字を表示)
□条文等の途中に「かっこ書き」がある場合は、例外か補足なので一旦飛ばしあとからその部分だけ読むと分かりやすい
□労働安全衛生法令は強行法規といわれます。
法令の規定のうちで、それに反する当事者間の合意の如何を問わずに適用される規定をいいます。これは「知らなかった」を一切認めてくれません。条文を守らなければ違反となります。
※契約などによって変更することが認められている規定をいう任意法規(任意規定ともいう)と対になる用語です。こちらの場合当事者間の合意は有効になります。
□労働安全衛生法令は再発防止規定ともいわれます。
労働災害が発生するとその原因調査後に再発防止のため必要であれば規制をかけています。ですから、「ちょっとだから」と法令を守らないと広い意味で労働災害が再発することになるかもしれません。
□労災保険法は労働者と事業者保護のために存在しますが、同じ法律である労働安全衛生法を守らないで死傷した場合には補償を減額されるかもしれません。
これは労働基準監督署長が「普段より法令違反を繰り返していた」と過失認定した場合です。労働者には「自己安全衛生義務」があるとされるので、普段から法令や事業者等のルールを守らなければいけません。
※病院などの費用は減額されません労働安全衛生法(抄)
第1条 (目的)
この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立、責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。第3条 (事業者等の責務)
事業者は、単にこの法律で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならない。また、事業者は、国が実施する労働災害の防止に関する施策に協力するようにしなければならない。
2 機械、器具その他の設備を設計し、製造し、若しくは輸入する者、原材料を製造し、若しくは輸入する者又は建設物を建設し、若しくは設計する者は、これらの物の設計、製造、輸入又は建設に際して、これらの物が使用されることによる労働災害の発生の防止に資するように努めなければならない。
3 建設工事の注文者等仕事を他人に請け負わせる者は、施工方法、工期等について、安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮しなければならない。
第4条 (労働者の責務)
労働者は、労働災害を防止するため必要な事項を守るほか、事業者その他の関係者が実施する労働災害の防止に関する措置に協力するように努めなければならない。第20条 (事業者の講ずべき措置等)
事業者は、次の危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。 一 機械、器具その他の設備(以下「機械等」という。)による危険 二 爆発性の物、発火性の物、引火性の物等による危険 三 電気、熱その他のエネルギーによる危険第22条
事業者は、次の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。 一 原材料、ガス、蒸気、粉じん、酸素欠乏空気、病原体等による健康障害 二 放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気圧等による健康障害 三 計器監視、精密工作等の作業による健康障害 四 排気、排液又は残さい物による健康障害労働安全衛生規則(抄)
(有害原因の除去)
第576条 事業者は、有害物を取り扱い、ガス、蒸気又は粉じんを発散し、有害な光線又は超音波にさらされ、騒音又は振動を発し、病原体によつて汚染される等有害な作業場においては、その原因を除去するため、代替物の使用、作業の方法又は機械等の改善等必要な措置を講じなければならない。(騒音を発する場所の明示等)
第583条の2 事業者は、強烈な騒音を発する屋内作業場における業務に労働者を従事させるときは、当該屋内作業場が強烈な騒音を発する場所であること、見やすい箇所に標識によつて明示する等の措置を講ずるものとする。(騒音の伝ぱの防止)
第584条 事業者は、強烈な騒音を発する屋内作業場においては、その伝ぱを防ぐため、隔壁を設ける等必要な措置を講じなければならない。(作業環境測定を行うべき作業場)
第588条 令第21条第3号の厚生労働省令で定める著しい騒音を発する屋内作業場は、次のとおりとする。一 鋲(びょう)打ち機、はつり機、鋳物の型込機等圧縮空気により駆動される機械又は器具を取り扱う業務を行なう屋内作業場
二 ロール機、圧延機等による金属の圧延、伸線、ひずみ取り又は板曲げの業務(液体プレスによるひずみ取り及び板曲げ並びにダイスによる線引きの業務を除く。)を行なう屋内作業場
三 動力により駆動されるハンマーを用いる金属の鍛造又は成型の業務を行なう屋内作業場
四 タンブラーによる金属製品の研ま又は砂落しの業務を行なう屋内作業場
五 動力によりチエーン等を用いてドラムかんを洗浄する業務を行なう屋内作業場
六 ドラムバーカーにより、木材を削皮する業務を行なう屋内作業場
七 チツパーによりチツプする業務を行なう屋内作業場
八 多筒抄紙機により紙を抄(す)く業務を行なう屋内作業場
九 前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣が定める屋内作業場
(騒音の測定等)
第590条 事業者は、第588条に規定する著しい騒音を発する屋内作業場について、六月以内ごとに一回、定期に、等価騒音レベルを測定しなければならない。 2 事業者は、前項の規定による測定を行つたときは、その都度、次の事項を記録して、これを三年間保存しなければならない。一 測定日時
二 測定方法
三 測定箇所
四 測定条件
五 測定結果
六 測定を実施した者の氏名
七 測定結果に基づいて改善措置を講じたときは、当該措置の概要
(騒音障害防止用の保護具)
第595条 事業者は、強烈な騒音を発する場所における業務においては、当該業務に従事する労働者に使用させるために、耳栓その他の保護具を備えなければならない。 2 事業者は、前項の業務の一部を請負人に請け負わせるときは、当該請負人に対し、耳栓その他の保護具について、備えておくこと等によりこれらを使用することができるようにする必要がある旨を周知させなければならない。 3 事業者は、第一項の業務に従事する労働者に耳栓その他の保護具の使用を命じたときは、遅滞なく当該保護具を使用しなければならない旨を、作業中の労働者が容易に知ることができるよう、見やすい場所に掲示しなければならない。 4 事業者は、第二項の請負人に耳栓その他の保護具を使用する必要がある旨を周知させたときは、遅滞なく当該保護具を使用する必要がある旨を、見やすい場所に掲示しなければならない。(保護具の数等)
第596条 事業者は、第593条第1項、第594条第1項、第594条の2第1項及び前条第1項に規定する保護具については、同時に就業する労働者の人数と同数以上を備え、常時有効かつ清潔に保持しなければならない。(労働者の使用義務)
第597条 第593条第1項、第594条第1項、第594条の2第1項及び第595条第1項に規定する業務に従事する労働者は、事業者から当該業務に必要な保護具の使用を命じられたときは、当該保護具を使用しなければならない。(専用の保護具等)
第598条 事業者は、保護具又は器具の使用によつて、労働者に疾病感染のおそれがあるときは、各人専用のものを備え、又は疾病感染を予防する措置を講じなければならない。【資料】 騒音障害防止のためのガイドラインの改訂について(別紙)
https://www.mhlw.go.jp/content/001089239.pdf (内容) ・騒音障害防止のためのガイドラインの改訂について (令和5年4月2 0日付基発0420第2号厚生労働省労働基準局長通達) ・騒音障害防止のためのガイドライン ・作業環境測定による等価騒音レベルの測定 ・定点測定による等価騒音レベルの測定 ・個人ばく露測定による等価騒音レベルの測定 ・等価騒音レベルの推計 ・騒音障害防止のためのガイドラインの解説
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