災害事例①
【災害事例1】
グラインダによる石材加工中に、研削といしが破損し被災
【発生状況】
この災害は、墓石の製造・販売を行っている事業所で、墓地の外柵に使う石材を携帯用グラインダを使用して加工しているときに発生した。発生当日、作業員Aは、グラインダに取付けたストレートカップ型研削といしの周面(使用面でない面)で石材の曲線部を削って歪を直す作業を行っていた。作業を開始して数十分後に突然研削といしが破損し、飛散したといしの破片が保護メガネを弾き飛ばしてAの目に当たり被災した。
【詳細状況】
Aが使用していたグラインダは、無負荷時回転速度10,000回転/分、研削といしの外径69mm×穴径19mmのものであった。
使用していた研削といしの周速度は
外径69mm 外周長=といし円周69×π=217mm=0.217m無負荷時回転速度 10,000回転/分
周速度は、外周長×回転速度0.217×10,000=2,170m/分となる。
使用していた研削といしに表示されていた最高使用周速度は1,800m/分であった。
また、研削といしの覆いは設けられておらず、さらに作業開始前のグラインダの試運転も行っていなかった。なお、Aに対して研削といしの取替や取替時の試運転について必要な特別教育も行っていなかった。
【原因】
この災害の原因として、次のようなことが考えられる。
1.研削といしの最高使用周速度を超えた状態で使用していたこと。
最高使用周速度は、安全上絶対に守らなければならないことであり、どのような場合でもこれを超えた速度で使用してはならない。
2.研削といしの使用面ではない面を使用して研削作業を行っていたこと。
災害の原因となった研削砥石は、ストレートカップ形で側面が使用面であるが、災害発生時は使用面でない周面を使用していた。3.研削といしの覆いを設けていなかったこと。
4.グラインダ作業開始前の試運転を行わなかったこと。
5.Aに対し、研削といしの取替え等の業務に係る特別教育を行っていなかったこと。
【対策】
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1.研削といしをグラインダに取り付ける際は、無負荷回転速度と研削といしに表示されている最高使用周速度が適応しているかどうかを確認し、最高使用周速度を超えてといしを使用しないこと。
2.研削といしの使用面を確認し、使用面以外の箇所を使用し研削作業を行わないこと。
3.研削といしが万一破損した場合、といしの破片の飛散を防ぐための、研削といしの覆いを外さないこと。
4.グラインダを使用する際は、作業開始前には1分間以上、研削といしを取り換えたときは3分間以上試運転をすること。
5.研削といしの取替えや取替え時の試運転を行う業務を行わせる作業者に対して、特別教育を行なうこと。
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