【第1章】第2節 足場の材料、構造及び組立図③
3 単管足場
(1)単管足場は、直径48.6mmの単管パイプと、緊結金具であるクランプ、単管ベース、壁つなぎ、足場板で構成される仮設足場です。
歴史が最も古い仮設足場で、昔は「木の丸太」と「紐」だった足場部材を、単管とクランプに代替したものです。
強度や安全面については、枠組足場と比べると劣る部分もあり、31m以下で使用します。建地下端に作用する設計荷重が最大使用荷重を超えないときは、鋼管を2本組とするような補強は必要ありません。
・枠組足場を設置できない狭いスペースや複雑な構造部分の足場として有用
・枠組足場と比べると、使用部材が少ない
・本足場から、ブラケット足場等作業と敷地に合わせた形状を設けられる
・組立て解体等作業の難易度は高い
(2)最大積載荷重
単管足場(本足場)の最大積載荷重は、1スパン400㎏以下とし、この積載荷重を連続スパンにわたって積載してはいけません。
(3)使用部材等
単管足場の使用部材はJIS規格及び厚生労働省の規格適合品を使用します。
足場用鋼管(JIS)と緊結金具(直交クランプ、自在クランプ)
単管ジョイントと単管ベース金具
(4)単管足場のポイント
①脚部には単管ベース金具を使用して、敷板や敷角、根がらみ等を設ける
②壁繋ぎは垂直方向5m以下、水平方向5.5m以下にする
③建地間隔は、けた方向1.85m以下、はり方向1.5m以下にする
④地上第一の布は2m以下の位置に設ける
⑤建地の最高部から31mを超える場合の建地は、鋼管を2本組にする
ただし建地の下端に作用する荷重設計が当該建地の最大使用荷重を超えない時は、この限りではない
⑥鋼管の接合部や交差部は、適合する附属金具を使用し、確実に接合・緊結する
単管ブラケット足場(左)と抱き足場(右)
本足場を原則、一側足場については例外的な位置づけと法令上明記することが重要ではないか。一側足場が設置できる箇所については、設置場所のスペースの観点(作業床40cmの本足場が設置できない狭隘な場所等)が考えられるのではないか。※厚労省実務者会合での参考意見
※2年間で12件の死亡災害が発生。このうち、足場と躯体との隙間からの墜落が5件、足場の外側からの墜落が4件となっている。
※一側足場については、安衛則第563条(作業床)の適用対象から除外されており、作業床の幅や手すり、中桟等の足場用墜落防止設備は規定されていないが、できうる限り設けることが望ましい。
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