第4章 保護具の使用方法②
2 保護具の洗浄方法の例
保護具の洗浄方法には、以下のような方法があります。
①防じんマスク、エアラインマスク、空気呼吸器等は装着したままエアシャワーで粉じんを除去します。
②面体は、エアシャワーで粉じんを除去した後、中性洗剤を加えたぬるま湯又は水で洗って汚れを落とし、日陰で自然乾燥します。汚れを落とすためにとあまり強力な圧搾空気を保護具に吹き付けると、弁や電動ファンなどが破損するおそれがあります。また、電動ファン付き呼吸用保護具は電動ファン部に直接水をかけると故障の原因となるので、面体の汚れはふきとって落とし、日陰で自然乾燥します。
③保護衣類は、使用後にエアシャワーで粉じんを除去します。汚れがひどい場合は、中性洗剤を薄めて水洗いします。使い捨ての簡易防じん服を使用する場合は、使い回しをしないで、1回ごとに確実に交換します。なお、使い捨て以外の保護具について使用後は保守点検を行うことはもちろんのこと、保管庫等に保管して次の作業に備えるとともに有害粉じん等からの汚染を防ぐようにしてください。
3 使用方法及び保守点検の方法
(1)防じんマスク、防じん防毒併用呼吸用保護具
ア.装着上の注意事項
①面体は、あごの方からかぶります。
②顔面と面体の接顔部が密着するように、しめひもを締めます。締め具合は、気密が悪くならない程度にゆるめておく方が、長時間の使用には楽です。
呼吸用保護具の装着方法
1)全面マスクの付け方
a.面体内に顎を入れながら締紐のヘッドバンド部を頭の後ろに持っていく。
b.締め紐のヘッドバンド部を後頭部におき左右2本の締紐のテープ部を1本ずつ均一に閉める
c.最後に空気の漏れがないかをチェックする。
2)半面マスクの付け方
a.片手でマスクを鼻と口で覆うようにあてる。
b.もう一方の手でヘッドバンドを頭にかけて装着する。
c.締紐のバックルを首の後ろで接続する。
d.マスクが顔に密着するよう、締紐の張り具合を調整する。
e.吸気口をふさぎ、息を吸って空気の漏れがないかをチェックする。
3) 使い捨て防じんマスクの付け方
③手のひらで吸気口(排気口)をふさいで息を吸って(吐いて)密着性の試験(フイットテスト)を行います。どこからも空気が漏れなければ大丈夫です。空気が漏れる場合には、顔面と面体とが密着しているか確認してください。ばく露の原因のーつは、保護具の不適切な使用なので、フィツトテストは、確実に行う必要があります。
呼吸用保護具の密着性の確認方法
a.フィットテスターで、フィルタの給気口をふさいで息を吸い顔面と面体の密着性を調べる。
空気を吸おうとしても吸引されず、面体が顔に吸い付く状態であれば、密着性は良好です。
密着性が悪いと、顔面と面体の隙間から外気画面体内に漏れ、面体が顔に吸い付かない。
フィットテスターがないときは、手のひらで吸気口をふさいで確認することができる。
締め紐の長さを調節するなどをして、フィットの状態を改善する。
フィルターの取り換え
④防じん防毒併用呼吸用保護具の吸収缶は、ダイオキシン類だけでなくその他のガス状物質や空気中の水分を吸収します。微量のダイオキシン類に対応できるよう、原則として1回使用するごとに吸収缶を交換しましょう。
イ.使用後の保守
面体、吸気弁、排気弁、しめひも等について、破損、亀裂、著しい変形又は粘着性がないことを確認してください。
(2)電動フアン付き呼吸用保護具
電動フアン付き呼吸用保護具のフアンによる送風は、接顔部に生じたすき間から面体内へ粉じんが漏れ込むことを抑えることができます。したがって、電動フアンが正常に稼働することがポイントとなるので、フアンが動いて送風があるか、電池の残量は十分かなどについて確認する必要があります。
装着上の注意は、前記の防じんマスクと同様です。
電動フアン付き呼吸用保護具には電子部品が内蔵され、バッテリーの残量やフィルター交換を示すインジケータが付いていますが、電動フアン部に水をかけたり、圧搾空気を吹き付けたりすると、電子部品やフアンが故障する原因となるので注意しましょう。
(3)プレッシャデマンド形エアラインマスク
ア.装着上の注意
①面体(マスク)は、あごの方からかぶります。
②連結管又は中圧ホースが、よじれていないか、チェックします。
③フィツトテストは、連結管タイプのものについては連結管を手でしっかりと握りしめた状態で、中圧ホースタイプのものは空気供給を止めた状態で息を吸い込み、顔面と面体との密着性が良好なことを確認してください。
④エアラインホースに、よじれがないようにします。
イ,使用後の保守
①各部分に異常や劣化がないかどうかを1カ月に1回点検します。
②各部の点検は、取扱説明書の点検チェックリストに従って行ってください。
(4)プレッシャデマンド形空気呼吸器
ア.装着等の操作手順
①空気呼吸器を背負います。
②ボンべのそく止弁を左に回して開きます。
③面体を、あごの方からかぶります。その際、連結管が、よじれていないかチェックしてください。
④フィツトテストは、連結管タイプのものについては連結管を手でしっかりと握りしめた状態で、中圧ホースタイプのものについては空気供給を止めた状態で、息を吸い込み顔面と面体との密着性が良好なことを確認してください。
イ.注意事項
①ボンべの圧力が3.0MPa付近まで低下すると警報器が鳴ります。警報器が鳴ったら、直ちに安全な場所に退避してください。
②呼吸が異常に苦しい場合は、空気呼吸器の異常が考えられます。このような場合はバイパス弁を開き、空気を補給するとともに直ちに安全な場所に退避してください。
ウ.使用後の保守
①使用後には、次の使用に備えて空気ボンべの再充填をしてください。
②空気ボンべは、製造後3年以内に容器の再検査をしなければなりません。
継続して使用する場合は、以後3年ごとに再検査が必要です。
(5)保護衣
ア.保護衣の装着上の注意事項
防護服、長靴、全面マスク、手袋の順で装着します。手袋は防護服のそでの内側に、長靴もズボンの内側に入れます。防護服と手袋、防護服と長靴の合わせ目から粉じん等が入らないよう、テープで密閉してください。
イ.使用後の保守
①表面硬化、べとつき、亀裂はないか確認する。
②異常(切り裂き等)があれば、廃棄する。
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