【序章】第1節 安全帯の名称が「墜落制止用器具」に改められました①
1.施行日(平成31年2月1日)以降、法令上「安全帯」の名称が「墜落制止用器具」に改められ、対象となる器具も変更されます
「墜落制止用器具」として認められるかどうかは以下の通りです。
① 胴ベルト型(一本つり) |
②フルハーネス型 |
③ 胴ベルト(U字つり) |
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※ISO(国際標準化機構)などの規格では墜落防止の方法(システム)にいくつかの種類があり、このうち従来の安全帯の機能を意味する「フォールアレスト」が「墜落制止」と訳されました。
また、U字吊りなど「ワークポジショニング」は別のシステムであるため墜落制止用器具から除かれ、使用する場合は墜落制止器具の併用等が求められることとなりました。
【参考】墜落防止システムの種類
※法令用語としては「墜落制止用器具」となりましたが、建設現場等において従来から使い慣れている「安全帯」「胴ベルト」「ハーネス型安全帯」といった用語を使用(ポスターや標語での表示なども含む)することは問題ありません。
2.墜落制止用器具は「フルハーネス型」を使用することが原則に
従来から使用されている「胴ベルト型」については、墜落時に受ける衝撃が大きいなどその危険性が指摘されており、また、ISOやEN規格(EU:欧州連合の統一規格)では既に「フルハーネス型」の使用を基本としていることから、我が国においても墜落制止用としては原則として「フルハーネス型」を使用することになりました。
【墜落制止時の衝撃荷重に関する規格】
・旧:安全帯規格 ➡ 8kN以下(胴ベルト型・フルハーネス型共)
・新:墜落制止用器具規格 ➡ フルハーネス型 6kN以下
胴ベルト型 4kN以下
(ISO・ENなどの規格はフルハーネス型、6kN以下)
なお、いわゆる「高所作業」とされる2m以上であっても比較的低い場所では、地面への激突に対してD環の高さの違いなどから胴ベルトの方が有利な場合が考えられるため、日本独自の規格として6.75m以下の高さでは「胴ベルト型(一本つり)」も使用可能とされました。
※一般的な建設業作業の場合は5m以上、柱上作業等の場合は2m以上の箇所では、フルハーネス型の使用が推奨されています。
なお、柱上作業等でU字つり胴ベルトを使用する場合は、別に墜落制止用器具を使用しなければならないこととされました。
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