【第3章】第7節 事故発生時の措置
1.事前に対応を決めておく
災害発生時に慌てないよう、救出方法等事前に必要な対応を決めておきます。
また、一次救命措置や骨折や出血などの応急手当等の訓練も、定期的に実施を計画してください。墜落制止用器具を使用している場合、ぶら下がった被災者の救出方法等について必要な用具を想定し、準備しておきます。
救出用具等
レスキュー用のフルハーネス安全帯セット
2.事故発生時の留意点
自力で脱出できない場合、直ちに助けを呼び、少しでも身軽になるため装備品などを外します。
被災者を吊り上げ、または吊り下げるには相当の人数が必要なので、不確実と判断される場合は、すぐに(救助を試みる前に)消防に連絡し救助を要請します。
意識を失わず延命するためには、ロープ(トラロープやスリング、親綱)などで被災者が足を踏ん張り身体を支えるような状態にすることが効果的です。
クレーンによる救助について、事前に災害場面を想定した訓練をしておきましょう。
【補助スリング使用例】
予め装着した左右の補助スリングを取り出し、踏ん張れる程度に長さを調整して留め具で留めて使用します。
(体験者談:股の締め付けが相当軽減され、足で体を支えるので非常に楽でした。ただし、自分に適した長さの調整や留め具の使い方などは、事前に経験しておく必要があります。)
長時間ぶら下がっていると下肢の血流障害が起きることがあり、心臓などに致命的な障害を与えます。出来る限り早く救出する必要性があります。
【参考図書】
「安全帯で宙づり―救助までの延命措置―」
(菊一 功先生著:労働新聞社刊、税別1,100円)
(8ページより) ★胴ベルト型安全帯(1本つり)でぶら下がった場合(事故例) (12ページより) ★80kgの被災者を引き上げるためには (8ページより) ★レスキュー隊到着・救助開始までの時間 |
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