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2. 建築物又は工作物等の解体等の作業方法②

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2-1 作業の一般的な手順②

2-1-1 石綿含有吹付け材、石綿含有保温材等を切断等により除去等を行う場合②

(2)湿潤化

石綿含有吹付け材は、粉じん飛散抑制剤等の薬液(または水)を使用し、エアレススプレーを用いて、表面に散布します。なお粉じん飛散抑制剤は空中散布にも用います。

図
3 1 8 粉じん飛散抑制剤の塗布(左)と ウォータージェット工法の例
図
3 1 9 除去作業と 湿潤化

(3)除去作業
石綿含有吹付け材は、飛散を最小限にするためスクレーパー(皮剥ぎ)等にて手作業で行い、足場や脚立などを使用する作業がある場合は、転倒・転落に注意して行います。仕上げはワイヤーブラシ等による擦り落とし作業ですが、この時粉じん飛散が生じるので、できるだけ飛散抑制剤を空中散布しながら行います。
除去後は、下地面に飛散防止剤を散布します。


図
3 20 手工具の例(上)と
ワイヤーブラシ 左 及びスクレーパー による 除去 作業
図
3 21 除去後の飛散防止剤の 塗布作業

(4)石綿廃棄処理

① 床面のプラスチックシート面に落下した石綿含有吹付け材は、箒、ちり取り等にて掃きとります。廃棄物は薬液(飛散防止剤液)を散布して湿潤化させた状態で、作業場内の廃棄専用プラスチック袋(厚さ0.15㎜以上)に詰め、袋内の空気を抜いて密封します。


図
3 2 2 袋詰め(左)と飛散抑制剤の塗布作業
図
3 2 3 二重袋詰め(左)及び一時保管場所での集積

② 廃棄専用プラスチック袋は外側に多量の石綿粉じんが付着しているため、セキュリティーゾーンの前室において外側をHEPAフィルター付き真空掃除機で吸取り、湿ったウェスで除去したのちもう1枚の清浄なプラスチック袋に収納し、二重袋とし、接着テープで密封する。

③ 二重に密封し洗身室でさらに付着している石綿粉じんを払い落とし、セキュリティーゾーン外部へ持ち出し、一時保管場所に運搬する。


図
3 2 4 セキュリティ ー ゾーン使用方法模式図(廃棄物搬出時)

(5)一時保管

① 除去した吹付け石綿等は以上の処置を行った後、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)等に基づいて適正に処理する。保管状態は、荷崩れや他の廃棄物との混同を防止するため囲いを行う必要がある。また、囲いに廃棄物の荷重がかかる場合には、その囲いを構造耐力上安全なものにする。

  ※特別管理産業廃棄物(廃石綿等)として処理する。

② 当日に除去した石綿吹き付け材は、当日中にすべて袋詰めして一時保管場所へ集積する。

③ 飛散流出、地下浸透、悪臭発散防止、鼠・蚊・蝿等の害虫駆除を行う。

④ 掲示板には下記の表示をする。

   ・特別管理産業廃棄物保管場所

   ・特別管理産業廃棄物(廃石綿)

   ・廃石綿等の保管量(廃棄専用プラスチック袋の数量等)

   ・特別管理産業廃棄物管理責任者の氏名及び連絡先(電話番号等)

   ・その他、取扱い上の注意点


図
3 2 5 廃棄物保管場所の表示の例

(6)清掃

① 毎日の作業終了時、作業場所の整理整頓、清掃を実施する。

② HEPAフィルタ付き真空掃除機で床面を清掃する。

③ 清掃中は呼吸保護具を着用する。

④ 清掃完了後、養生プラスチックシートの表面に粉じん飛散防止剤を散布する。

(7)石綿含有建材除去完了

① ローリングタワー、高所作業車、足場、器具、工具に付着した石綿粉じんをHEPAフィルタ付き真空掃除機や湿ったウェスで十分除去してから作業場外へ搬出する。

② 清掃完了後、養生プラスチックシートの表面に粉じん飛散防止処理剤を、空中へは粉じん飛散抑制剤を散布した後、集じん・排気装置を運転させながら作業場所の数倍量程度の換気を行う。例えば作業場所内の空気を15分間で排気できる能力の集じん・排気装置の場合、1.5時間以上継続して運転し集じんする。

③ 壁面の養生シートの撤去は、換気完了後壁面の養生シートをゆっくりと残存粉じんに注意しながら外す。

  取り外した養生シートは粉じん付着面を上にして置き、両端から中央へ向かって順次折りたたみ廃棄用プラスチック袋に二重袋にて詰め、一時保管場所に運搬する。


図
3 26 粉じん飛散抑制剤の散布(左)と養生シートの撤去

④ 床養生シートの撤去は、壁養生シートの撤去と同様に粉じん付着面を上に置き両端から中央に向かって順次折りたたみ、廃棄物プラスチックに二重袋詰めし、一時保管場所に運搬する。

⑤ 最後に仕上げ清掃として、床面、窓台、機械設備等、除去作業場所内及び周辺での石綿の飛散、堆積している恐れのある個所をHEPAフィルタ付真空掃除機で隅々まで清掃する。


図
3 27 仕上げ清掃

(8)作業記録

作業完了後は作業記録として、常時作業に従事する労働者については1か月ごとに下記の事項を記録しなければなりません。

 ・労働者の氏名

 ・従事した作業の概要及び作業に従事した期間

 ・石綿等の粉じんで著しく汚染される事態が発生したときは、その概要及び事業者が講じた応急措置の概要

また、作業記録は「常時当該作業に従事しないこととなった日から40年間保存すること」とされています【石綿則第35条】

 

 

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