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【第4章】第1節 墜落制止用器具等②

7 墜落制止用器具等の点検及び整備の方法

7-1 点検・保守・保管

墜落制止用器具の点検・保守及び保管は、責任者を定める等により確実に行い、管理台帳等にそれらの結果や管理上必要な事項を記録しておきます。


1、点検

点検は、日常点検のほかに―定期間ごとに定期点検を行うものとし、次に掲げる事項について作成した点検基準によって行います。定期点検の間隔は半年を超えないこと。点検時には、取扱説明書に記載されている安全上必要な部品が全て揃っていることを確認します。


ア ベルトの摩耗、傷、ねじれ、塗料・薬品類による変色・硬化・溶解

イ 縫糸の摩耗、切断、ほつれ

ウ 金具類の摩耗、亀裂、変形、錆、腐食、樹脂コーティングの劣化、 電気ショートによる溶融、回転部や摺動(しゅうどう)部の状態、リベットやバネの状態

エ ランヤードの摩耗、素線切れ、傷、やけこげ、キンクや撚りもどり等による変形、薬品類による変色・硬化・溶解、アイ加工部、ショックアブソーバの状態

オ 巻取り器のストラップの巻込み、引き出しの状態。ロック機能付き巻取り器については、ストラップを速く引き出したときにロックします。


・各部品の損傷の程度による使用限界については、部品の材質、寸法、構造及び使用条件を考慮して設定することが必要です。

・ランヤードのロープ等の摩耗の進行は速いため、少なくとも1年以上使用しているものについては、短い間隔で定期的にランヤードの目視チェックが必要になります。

・ワークポジショニング用器具のロープは電柱等とこすれて摩耗が激しいので、こまめな日常点検が必要です。

・フック等の近くが傷みやすいので念入りな点検が必要です。

・工具ホルダー等を取り付けている場合には、これによるベルトの摩耗が発生するので、定期的にホルダーに隠れる部分の摩耗の確認が必要です。


2、保守

保守は、定期的及び必要に応じて行います。

保守にあたって、部品を組み合わせたパッケージ製品(例:フック等、ショックアブソーバ及びロープ等を組み合わせたランヤード)を分解して他社製品の部品と組み合わせることは、メーカーの設計外使用のため製造物責任の観点からも行ってはいけません。


(1)ベルト、ランヤードのロープ等の汚れは、ぬるま湯を使って洗い、 落ちにくい場合は中性洗剤を使って洗った後、よくすすぎ、直射日光に当たらない室内の風通しのよい所で自然乾燥させます。その際、ショックアブソーバ内部に水が浸透しないよう留意します。

(2)ベルト、ランヤードに塗料がついた場合は、布等でふきとります。強度に影響を与えるような溶剤を使ってはいけません。

(3)金具類が水等に濡れた場合は、乾いた布でよくふきとった後、さび止めの油をうすく塗ります。

(4)金具類の回転部、摺動部は定期的に注油します。砂や泥等がついている場合はよく掃除して取り除きます。

(5)一般的にランヤードのロープ等は墜落制止用器具の部品の中で寿命が最も短いので、ランヤードのロープ等のみが摩耗した場合には、ランヤードのロープ等を交換するか、ランヤード全体を交換します。 交換にあたっては、墜落制止用器具本体の製造者が推奨する方法によることが望ましいでしょう。

(6)巻取り器については、ロープの巻込み、引出し、ロックがある場合はロックの動作確認を行うとともに、巻取り器カバーの破損、取付けネジの緩みがないこと、金属部品の著しい錆や腐食がないことを確認します。


3、 保管

墜落制止用器具は次のような場所に保管します。

(1)直射日光に当たらない所

(2)風通しがよく、湿気のない所

(3)火気、放熱体等が近くにない所

(4)腐食性物質が近くにない所

(5)ほこりが散りにくい所

(6)ねずみの入らない所


7-2 廃棄基準

1、一度でも落下時の衝撃がかかったものは使用してはいけません。

2、点検の結果、異常があったもの、摩耗・傷等の劣化が激しいものは使用してはいけません。

【取替の目安】

 

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