8-2 保守管理の方法
保守管理の方法
「管理」とは基準となる能力・性能や状態・精度を維持することや、そのための具体的活動を言いますが、保守管理の方法・手順については以下の項目が挙げられます。
①保守管理計画の策定
1)法定点検事項の確認と実施時期の決定
2)自主的点検・整備活動に関する基準の作成
【災害事例~点検及び管理体制の必要性】
この災害は、7階建ての建物の新築工事現場で、鉄骨柱のタラップを足がかりにして鉄骨の塗装作業に従事していた作業者が、足を踏み外して墜落したものである。
災害発生当日、作業者Aは、建物の4階付近で、鉄骨の組立て時に剥げ落ちた柱、梁等の塗装の手直し作業に従事していた。作業は、柱に取り付けられたタラップに足を掛けて行っていたが、タラップが十分な踏み面を有していなかったため、誤って足を踏み外して約7m下の3階コンクリート床面に墜落し、重傷を負った。
Aは、塗装作業中、安全帯を使用し、保護帽を着用していた。安全帯は、柱の突起部(鉄骨柱つりピース)に安全帯のフックを掛けて使用していたが、Aが足を踏み外した衝撃でフックから約20cmの箇所でロープが切断した。
安全帯はAが所有する1本つり用で、製造後6年を経過していたため、ロープが変色し、随所に焦げあとや塗料の付着があった。ロープは8本のストランドからなっていたが、うち数本はかなり以前から破断していた。この工事現場では、安全帯等の保護具の点検基準を作成しておらず、保護具の点検は作業者任せとしていた。
3)定期メンテナンス活動に関する基準の作成
4)随時メンテナンス活動に関する基準の作成
②安全点検基準の制定
③点検・メンテナンス活動の実施
④点検評価と改善の継続的実施
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